東芝テックには少し変わった複合機があります。
コピー用紙の印字部分を消して再利用できるものです。
「ペーパーリユースシステム Loops」という名前です。
原理は消せるボールペン・フリクションと同じで熱を加えると消えてしまうインクを使っています。
フリクションは60℃で消えますが、Loopsは80℃で消えます。
製品自体は3年くらい前からありました。
インクの色は青で、これは技術的な問題よりも見分けやすくするために青にしているそうです。
従来は青でしか印字できなかったので、再生専用の印刷しかできませんでした。
つまり通常の印刷ができるモノクロ機、又はカラー機がもう1台必要でした。
今回の製品では通常のモノクロ印刷もできるようになりました。
そのために現在モノクロ機を使っているお客様は、Loopsに変更することで今まで通りの黒色の印刷と再利用できる青色の印刷を同時に使うことができます。
もう1つの改善点は複合機本体に消色機能が付いたことです。
今までは専用の消色機器が別に必要でスペースとコストの点で問題になっていましたが、本体で消色できるようになったのでそれも不要です。
通常のモノクロ印刷ができることと本体で消色ができるようになったことは大きな改善点です。
但し問題点もあります。
フリクション同様、印字した後が残ります。
透明にはなっていますが、樹脂の跡がきっちり残るので読めてしまいます。
情報漏えいに厳しくなっている昨今、この点で用途が限られてくるのではないかと思います。
通常に再利用する分にはそんなに気にはなりませんでした。
この点も前より改善されている気がします。
後は使いみちですね。
メーカーの説明会では、社内文書に使用すると言っていました。
会議用の資料やピッキングリスト、試し刷りの図面や受信したFAXなどです。
ダメ出しはあまりしたくないのですが、
会議用の資料は情報漏えいの問題などの面でしんどいかなと思います。
ピッキングリストは現場でボロボロになってしまうのでは?
試し刷りの図面はいいと思います。
受信FAXはそれ以前に紙で出力することをやめてしまえばいいのにな、と思います。
やっぱり用途は限られますね。
最後に用紙コストですが、当社で販売している通常のA4コピー用紙は@60銭です。
Loopsを使って再利用すると電気代だけです。
1kwhの単価が30円だとすると、1分間で最大75銭です。
最大の消費電力が1.5kwですのでそれが1分間続いた場合の金額ですから、現実的には50銭程度だと想定します。
消色のスピードは1分間で35枚でした。
つまり30枚をまとめて消色すると1枚当たり1.5銭程度で用紙の再利用ができることになります。
再利用は5回までが推奨されていますので、毎月6000枚=3600円の用紙を使用されている場合で計算すると、毎月1000枚=600円+電気代75円で合計675円です。
3000円もコスト削減できてる!?
まあ破れたり書き込んだりしたものは再利用できませんが、そこそこ削減できそうです。
7月販売開始ですので、興味がある方は是非お問い合わせください。